個人事業主が法人成り(法人化)するベストなタイミングとは?
個人事業主の方で、法人化するタイミングについてお悩みの方は多いのではないでしょうか。
法人化することで、社会的信頼を得られるなど、さまざまなメリットを享受できます。
では、法人化はどのタイミングでするのがベストなのでしょうか。
今回は、個人事業主が法人成り(法人化)するベストなタイミングについて解説します。
■法人化のメリット
まず、法人化することのメリットについてご紹介します。
主なメリットは、節税と社会的信頼の2つです。
・節税
個人事業主に課せられる所得税と法人に課せられる法人税を比較したときに、一定額以上であれば、法人の方が収める税は少なく済みます。
詳しくは後述しますが、大まかな目安としては、個人事業主として利益が800万円以上になったら法人の方が収める税が少なく済む可能性があります。
・社会的信頼
一般的に、個人事業主よりも法人の方が社会的信頼が高くなっています。
銀行から融資を受ける際にも、個人よりも法人の方が審査は緩いと言われています。
そのため、法人化することで、資金調達を行いやすくなります。
また、企業によっては法人のみを取引の対象とする場合もあります。
法人化することで、取引相手の幅が広がり、事業の拡大もしやすくなります。
以上が主な法人化のメリットです。
このようにメリットのある法人化ですが、では、どのタイミングで行うのがベストなのでしょうか。
■法人化のベストなタイミング
法人化のベストなタイミングは、いくつかの観点から決まります。
1.売上について
売上高がポイントになるのは、消費税と関係があります。
個人事業主の時点で売上が1000万円を超えると、その2年後に消費税を収めなくてはなりません。
しかし、売上高が1000万円を超えた次の年度に法人化することで、原則2年は消費税を収める必要がなくなります。
法人と個人事業主では別人格として扱われるためです。
しかし、法人化の時点で資本金が1000万円以上ある場合は、法人化した年度から課税事業者となるので、注意が必要です。
2.利益について
利益額がポイントになるのは、所得税と法人税に関係があります。
上で少し触れましたが、個人事業主に課せられる所得税と法人に課せられる法人税を比較したときに、利益額が一定額以上であれば、法人の方が収める税は少なく済む可能性があります。
具体的には、個人事業主の時点で利益額が900万円より多く、1800万円以下の場合、所得税は33%です。
それに対して、基本的に法人税は、利益額が800万円以下の場合は15%、800万円より多い場合は23.2%です。
したがって、所得税と法人税を比較した際に、法人化することで納めるべき税が少なく済む可能性があるのです。
しかし、具体的に課せられる税金がいくらになるのかは、所得控除や他の収入源など別の要素の影響も受けます。
そのため、節税を目的に法人化したいとお考えの方は、まずは専門家に相談することをおすすめします。
3.その他
売上高と利益額以外にも法人化のタイミングを決める要素はあります。
例えば、季節によって売上高が変動するタイプの業種です。
端的にいえば、売上高が最高になるタイミングで法人化することがベストです。
そのため、繁忙期に法人化という別の仕事が被らないように事前に準備しておくことをおすすめします。
■まとめ
今回は、個人事業主が法人成り(法人化)するベストなタイミングについて解説しました。
主に、売上高と利益額によってタイミングは決まります。
しかし、具体的に節税効果はどの程度になるのかは、個別具体的な状況に左右されるため、法人化についてお悩みの方は、専門家に相談することをおすすめします。
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