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相続時精算課税制度を使えるひととメリットとデメリット

相続税や生前贈与の対策を考える際、「相続時精算課税制度」は有効な選択肢の1つです。

多額の財産を早期に贈与したい場合や、将来の相続税負担を軽減したい場合などに有効な制度です。

本記事では、この制度を利用できる人の条件と、メリット・デメリットについて紹介します。

相続時精算課税制度とは

相続時精算課税制度とは、贈与税の仕組みの1つで、父母や祖父母から、子や孫へ贈与を行う際に選択できる制度です。

贈与時には2500万円までが非課税となり、それを超える部分については一律20%の税率で贈与税が課されます。

また、20241月以降は新たに年間110万円まで非課税で贈与できる枠が設けられ、従来よりも活用しやすくなりました。

最終的には、相続が発生した時点でそれまでの贈与額を相続財産に加算したうえで相続税を再計算し、すでに納めた贈与税額が精算される点が大きな特徴です。

相続時精算課税制度を使える人

この制度を利用できるのは、贈与者と受贈者の関係や年齢に条件があります。

贈与を行う側は、贈与をした年の11日において60歳以上の父母または祖父母などが対象です。

贈与を受ける側は、贈与をした年の11日において18歳以上である子または孫などが対象です。

相続時精算課税制度のメリット

この制度には、相続税対策の観点からさまざまなメリットがあります。

大きな資産を早めに移せる

2500万円まで非課税で贈与できるため、住宅購入資金や教育資金の援助など、大きなライフイベントの支援に適しています。

資産の値上がりを避けられる

贈与した時点の評価額が将来の相続税計算に使われるため、その後資産価値が上昇しても贈与時の価格で固定されます。

とくに不動産や株式を贈与する場合、相続税の負担軽減につながる可能性があります。

相続時精算課税制度のデメリット

一方で、この制度には注意すべきデメリットも存在します。

暦年課税には戻れない

一度相続時精算課税を選択すると、年間110万円まで非課税で贈与できる「暦年課税」へ切り替えることはできないため、どちらの制度が有利か慎重に見極める必要があります。

相続税で不利になる場合がある

この制度を利用して贈与した土地は、相続時に「小規模宅地等の特例」を適用できないため、結果的に相続税の負担が重くなる可能性があります。

まとめ

相続時精算課税制度は、毎年の非課税枠を活用しながら大きな財産を早期に移転できるなどのメリットがあります。

一方で、一度選択すると暦年課税には戻れず、一部の特例が適用できないため、場合によっては不利になるリスクもあります。

相続時精算課税について利用を検討している場合は、専門家である税理士に相談することをおすすめします。

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